
商標出願 ベストライセンス
2015年5月に続いて特許庁が注意喚起する声明を発表しました。
昨年は、大量な商標出願を行っているということで、ベストライセンス社(上田育弘)が話題になりましたが、今回もベストライセンス社(上田育弘)のようですね。
ベストライセンス社(上田育弘)ってどういう会社なのか、何を目的に大量商標出願を行っているのかなど確認していきましょう。
お好きなところからご覧ください。
ベストライセンス社(上田育弘)って?
ベストライセンス社は上田育弘さんが代表の株式会社です。
実際には会社の詳しい情報はないのですが、登録されている住所が同じということで、特定されています。
今回は、ピコ太郎さんの大ヒット曲「Pen-Pineapple-Apple-Pen(PPAP)」で使われるフレーズ「ペンパイナッポーアッポーペン」などが商標出願されているということですね。
これが商標出願速報
いやいや、エイベックスは何してる?
ということで、確認してみると、2016年10月に「PPAP」の商標は出願しているようだけど、「ペンパイナッポーアッポーペン」「PEN PINEAPPLE APPLE PEN」は出願していない?????
えーーーーー!!!!
エイベックスさんやっちまったーーー???
これは、気づいたときに登録しようとして、登録状況を確認すると既に申請されていた・・・
なんてことになって諦めてしまうことが良くあるそうです。
ベストライセンス社と上田育弘さんの商標出願状況
(2014年~2016年)
実際にどれだけ大量に商標出願しているのでしょうか。
2014年 出願ランキング
1位 上田育弘 6,376件
2位 株式会社資生堂 458件
3位 花王株式会社 423件
4位 株式会社サンリオ 359件
5位 富士通株式会社 351件
25位 ベストライセンス株式会社 133件
★合計 6,509件
2015年公開商標公報 出願人ランキング
1位 ベストライセンス株式会社 8,130件
2位 上田 育弘 6,656件
3位 星 考一 848件
4位 株式会社資生堂 656件
5位 株式会社サンリオ 483件
★合計 14,786件
2016年 上半期
1位 ベストライセンス株式会社 19,949件
2位 上田 育弘 5,701件
3位 株式会社サンリオ 829件
4位 株式会社資生堂 608件
5位 花王株式会社 469件
6位 星 孝一 421件
★合計 25,650件
こんな出願もされてます。
最近の出願速報からいくつか抜粋してみましたが、何に使うのか不明なものがあるので、素人からすれば???な商標出願になってます。
実際に商標登録されているの?
25000件という膨大な商標出願をしてきていますが、これすべてが登録されているのかというとそうではなさそうです。
商標出願をするには、出願手数料がかかります。
特許庁は、このような出願について30日を指定して出願手数料の支払いを求めるんだそうです。
そして、この期間内に出願手数料の支払いがない場合は、審査を行うこともせずに、出願を却下するんだそうです。
結果的に25000件の申請してるんですが、ベストライセンス社と上田育弘さんからの商標登録が認められたのは、数件しかないそうです。
ということは、ほぼ出願だけして儲かりそうなものだけを商標登録しているようですね。
ただほんの数件で会社経営ができているので何か他にもありそうですね。
過去の出願で話題になったもの
「ペンパイナッポーアッポーペン」だけではなかった出願が過去にもあったらしいのですが、それが昨年の2016年秋に群馬県の太田市が開館する予定の美術館・図書館で複合施設がありました。
その愛称に「おおたBITO」を付けようとしていましたが、ベストライセンス社(上田育弘)が既に「BITO」の商標出願を行っていて名前の変更を余儀なくされたというニュースが話題になりました。
他には「STAP細胞はあります」や「民進党」といった言葉なども商標を出願していていて大きな話題になっていました。
民進党なんかは、先に党の名前の候補を発表したために先を越された形で商標登録できずにいるそうです。
一般の方たちにはあまり関係ない商標の話ですが、いつ何時ヒット作やアイデアが浮かんでくる可能もあるので、色んな所に発表される前に商標の出願はしておかないといけないんだということだけ頭に入れてください。
業務に関係ない商標は、認められにくい?
商標法3条柱書では、「自己の業務に係る商品又は役務について使用する商標については、商標登録を受けることができる」
と定められているんです。
なので、もし審査が始まっても自分の業務に全く関係がないものを商標登録しようとしても却下される可能性が高いということです。
特許庁が心配しているのは、既に申請されていて、本当に商標登録できる企業や個人が諦めてしまうケースがでてくることを心配しているんです。
正当な権利を申請もせずに諦めないで欲しいということのようですよ!!
なぜ、商標出願し続けるのか?目的は?
上田育弘さんが朝日新聞の取材で語った内容です。
ここになぜ大量な出願をしているのかの目的が語られてます。
商標乱発、国全体の1割出願 男性「あくまでビジネス」
――大量の商標を出願する目的と、始めたきっかけは
将来に自分で商標を使う、他人に権利を譲渡する、先に出願しておくことで権利を仮押さえする。この三つが狙いだ。2013年に弁理士会の会費を滞納して、弁理士の登録を抹消され、出願代理人として活動できなくなった。そこで、自分で商標を出願することにした。
――なぜ、手数料を払わないのか
権利化するメリットがあるものを、後から厳選して払う。数千件の中からいくつかを選び出す。もうけにはまだなっていないが、いつカネに結びつくかわからない。欲しい人が現れれば実になる。
――出願する言葉はどうやって決めているのか
新聞が主で、インターネットやテレビ、ラジオなどあらゆるメディアの情報を元に選んでいる。
――「民進党」や「STAP細胞はあります」「LOVELIVE(ラブライブ)」といった、よく知られた名前や話題になったものが多い
自分自身がこれから政治家になって活動するかもしれないし、権利を譲渡する可能性もある。民進党は私に3日遅れて商標を出願したが、出願前に党名を公開したのが間違い。東京五輪の新しいロゴは、商標出願をすませてから公表された。権利をとりたいなら、あれが正しいやり方だ。
「STAP細胞~」は、ジャーナリズムの中でこれから役に立つ可能性がある。いろんな標語に使えると思って出願している。
なるほどね。
こんな目的があったんですね。
この内容から判断できるのは、とりあえず出願しておいて「これはいける!!」といったものに料金を支払って商標取得できるのか見当してもらうということ。
実際にはその商標に関する商品は持っていないので、その商標を使う権利を売って商売しているということではないでしょうか。
大きな企業は特に狙われやすいんだそうです。
知らないうちに他人が権利持っている商標を使ったら利用料を支払わなければいけなかったり、高額な損害賠償の請求がなされたりするんですよね。
GoogleやMSも被害に遭っているようですよ。
私にはほぼ関係ない商標ですが、万が一なにか発見や発明した時のために頭の片隅にでもおいておいてください。
ベストライセンス社と上田育弘さんの商標出願についてでした!!
最後までお読みいただきましてありがとうございます。
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