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豊洲新市場の千客万来施設で「すしざんまい」喜代村と大和ハウス工業が相次いで辞退した理由は?

豊洲新市場の千客万来施設で「すしざんまい」喜代村と大和ハウス工業が相次いで辞退した理由は?

豊洲新市場の千客万来施設の市場開設と同時オープンが事実上白紙となる辞退が発生しました。

千客万来施設は、築地市場(東京都中央区)の移転先として東京都が2016年11月に開場する豊洲新市場(江東区)でぎわいを生み出す核として期待される商業・観光施設です。

江東区も観光客増加を期待していたのですが、企画運営をする企業が相次いで辞退する結果となり事実上の白紙状態となってしまいました。

この辞退した企業というのが、

「すしざんまい」を経営する喜代村 と 大和ハウス工業

なのです。

2015年2月にまず大和ハウス工業が辞退を決意。

そのあおりを食らって「すしざんまい」喜代村が辞退を決意した。

という流れです。

なぜこのようなことになったのでしょうか。

その辞退した理由をまとめました。

理由の前に、この事業について簡単に説明しておきます。

 

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千客万来施設事業概要

 

千客万来施設事業は、次のようなスケジュールで実施企業が決定されました。

◆2014年8月に事業の公募を開始

◆2014年11月に提案書受付

この時点で提案者は2件

・まぐろチーム

・JAPAN FOOD LIVE PARK

◆2015年1月

各提案を審査してきたが、JAPAN FOOD LIVE PARKが辞退

実質、まぐろチームだけになったが、提案内容が良かったので審査継続

◆2015年2月

まぐろチームの提案内容は、現在の築地や他の商業施設では見られない、人を惹きつける独自的で効果的な取組が随所に見られたため、最優秀提案者として選定される。

このちょっとふざけた名前(まぐろチーム)の企業が、「すしざんまい」喜代村と大和ハウス工業なのです。

そのときの事業内容がこちら

千客万来施設は大きく2ケ所に分かれていて【5街区】【6街区】と呼ばれています。

それぞれの予定施設です。

【5街区】が大和ハウス工業が整備

【6街区】が「すしざんまい」喜代村が整備

【5街区】

○世界・日本の調理器具等を販売「調理器具市場」

○日本の伝統技術“ものづくり”の技を紹介・体験「匠いちばん市場」

○家庭設備器具の販売・修理など生活をサポート「生活支援市場」

【6街区】

○市場関係者等の多種多様な専門店集積「”豊洲”場外市場」(約 140 店舗)

○市場の新鮮食材を提供「まんぷく市場」(フードコート 1,000 席)

○年間を通じて、参加体験型の楽しいイベントを開催「にぎわい広場」

○料理の楽しさや自然の恵みを学ぶ「豊洲食育教室」

○湾岸エリアを眺望できるレストランも備えた首都圏最大級「温浴施設」

○多言語などによるきめ細かい観光客対応「世界クラスのおもてなし」

○市場関係者、地域住民などをサポート「託児所・クリニック」

なかなか魅力ありそうな施設で、集客できそうな感じがしますね。

詳しくはこちら
千 客 万 来 施 設 事 業 事 業 予 定 者 の 決 定

http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2014/02/DATA/20o2j501.pdf#search=’%E5%8D%83%E5%AE%A2%E4%B8%87%E6%9D%A5%E6%96%BD%E8%A8%AD+%E5%A4%A7%E5%92%8C%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9′

 

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ちょっと長くなってしまいました。

辞退した理由はなに?

なぜ、このように半年間もかけて審査してきて、さらに1年間も事業が遂行されてきているにもかかわらずに辞退をしなければいけなかったのでしょうか。

通常は、民間企業としては辞退は今後の評価も鑑みてよほどの事がない限り行いません。

したがって、今回はよほどの採算が見込めない事態が発生したんだと予測されるんですね。

現時点で公開されている理由を企業ごとに紹介します。

【大和ハウス工業】の場合

大和ハウス工業は、新市場の青果棟ができる「5街区」の0・6ヘクタールで、日本の伝統のものづくり技術を紹介する「匠(たくみ)いちばん市場」や世界の調理器具市場などを開設予定だった。

辞退理由は、

大和ハウスが施設運営のために希望した道路使用を、渋滞で業務に支障が出ることを心配する青果市場の業者らが認めなかったこと。

また、2社のどちらかに債務が生じた際、連帯責任を負う契約を東京都が求めていたが、合意に至らなかった。

ということです。

本来は、これだけの理由ではなく色んな事業を阻害する要因があると思われます。

【すしざんまい 喜代村】の場合

「すしざんまい」を展開する喜代村は、新市場の水産仲卸売場棟が建つ「6街区」の1・1ヘクタールで、約140店が入る豊洲場外市場や温浴施設などの新設を進める予定。

辞退理由は、

近隣地区にある別の温浴施設との競合などが理由と説明。

近隣地区にある別の温浴施設とは、「大江戸温泉物語」

温浴施設「大江戸温泉物語」は、東京都側と運営会社が結んでいた2016年3月までの定期借地権契約が延長されてたことが新たに判明して、千客万来施設の目玉だった温浴施設の利用客が分散するため、赤字になる懸念が出てきたという。

施設は温浴棟などを整備し、年間来場者は約420万人を見込んでいたようです。

また、喜代村の木村社長はほかに、2月に辞退した業者が整備するはずだった場所の優先開発権も認められなかったことを理由に挙げている。

本日、喜代村の木村社長は記者会見を開き、涙ながらに「断腸の思い。力不足で申し訳ない」と話していました。

千客万来施設は新市場とともに2016年11月上旬の開場を目指しているが、東京都の担当者は「同時開場は極めて厳しい」と話しているようです。

これから再度公募からのやり直しだと思われますので、業者決定までに1年、さらに事業遂行し建設までに2年ぐらいかかるのではないでしょうか。

この辞退によって、損失を被るのは「すしざんまい」喜代村と大和ハウス工業だけではありません。

この施設に入る予定だった企業や江東区も大きな損失なのです。

この責任はどこにあるのか今後問題になりそうですし、早急な事業者の決定が急務ですね。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。

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 2015年5月5日
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