北朝鮮の船で瀬取りが行われているとの問題が話題になってます。

もちろん、瀬取りが悪いものではなくて、北朝鮮が経済制裁中に行なっていることが問題になってます。

瀬取り自体が良く分からないという方のために、わかりやすく説明したいと思います。

 

 

瀬取りの意味って？

まずは、瀬取りの意味をお伝えします。

瀬取りの読み方は「せどり」と読みます。
ネットビジネスにも”せどり”というものがありますが、それとは違います。
言葉だけ聞くと間違いそうですね。（私もネットビジネスの方が先に思い浮かびました）
瀬取りは、漢字から見ると瀬（磯）の取り合いかなぁと思いがちですが、これでもないんです。

ここで、正解をお伝えしましょう。

瀬取りの意味は、船から船へ積み荷を移すこと。
特に、船と船がひっついて接触して、海上で積荷の受け渡しをすることを表現しています。

通常は、船を陸に接岸して積荷を降ろしますが、大きな船など港に入れない場合など、小さめの船で少しずつ小船に積荷を移して陸揚げすることを指しています。

その小船のことを瀬取り船といいます。

またWikipediaでは次のような説明がされています。

瀬取りとは。 日本では港に接岸できない船から船荷を運び出し、小船で陸揚げするために江戸時代には瀬取りが行われていた。また、下り酒を扱う江戸の樽廻船問屋の管理下においては、下り酒問屋への引き渡しの際に、入津した樽廻船から茶船と呼ばれる艀による瀬取りが盛んであった。

下り酒（くだりざけ）とは、江戸時代に上方で生産され、江戸へ運ばれ消費された酒のこと。
引用：Wikipedia

まあ、良く分かるようなわからないような例えでしたが、とにかく船から船に荷物を移すことだと覚えておいて間違いないでしょう。

 

 

今、なぜ瀬取りが問題に？

では、この瀬取りがなぜ問題になっているかについて見ていきましょう。

もうお分かりのように、瀬取りが悪いということではないですね。
瀬取り自体はいいのですが、その時に扱っている積荷が問題になっています。

よく問題になるのが、違法な覚○剤取引がこの瀬取りで行われることがあるということ。

このように瀬取りが悪いことが起こる時に出てくるので、最近では悪いことの象徴のように扱いになってしまってます。

特に最近では北朝鮮の船が経済制裁の中で、違法に物資の積荷を受け渡すことが話題になってきています。

「洋上で貨物を積み替える形で制裁を逃れる行為」などの意味で使われています。

最近の発見された北朝鮮の瀬取りについてお伝えします。

 

 

北朝鮮の船による瀬取り

特に有名な船となったのが、北朝鮮船籍タンカー「Rye Song Gang 1号」

禁制品の輸送に関与したとして入港禁止の対象に指定された船舶になります。

2018年に入って４例も北朝鮮の船による瀬取りが発見されているので確認しましょう。

１例目　２０１８年１月２０日。北朝鮮船籍タンカー「Rye Song Gang 1号」とドミニカ国船籍タンカー「Yuk Tung号」　東シナ海沖　※船名を「Rye Song Gang 1号」から「Song Hae号」に偽装しているとされる。

２例目　２０１８年２月１３日。北朝鮮船籍タンカー「Rye Song Gang 1号」とベリーズ船籍タンカー「Wan Heng 11号」　上海沖（２０１８年２月１４日公表）

３例目　２０１８年２月１６日。北朝鮮船籍のタンカー「Ｙｕ Ｊｏｎｇ ２号」と「寧徳０７８」と表示された小型船舶　上海沖　（２０１８年２月２１日公表）

４例目　２０１８年２月２４日。北朝鮮船籍のタンカー「Ｃｈｏ　Ｍａ　Ｓａｎ号」とモルディブ船籍の「Ｘｉｎ　Ｙｕａｎ１８号」　上海沖　（２０１８年２月２７日公表）

この４例はあくまでも公表された例であって、北朝鮮の船による瀬取りはこれ以上に数倍はあると考えられています。

いずれにしても違法な物資の流通が行われていることは確かなようなので、今後の取締の強化が必要になっているようです。

まとめ

瀬取りについてその意味を解説しました。

特に北朝鮮の船での瀬取りは経済制裁中ということから違法な積荷の受け渡しが疑われているので、悪い意味で瀬取りという言葉が定着してしまいそうです。

瀬取りすべてが悪いということではないので、その辺りは理解しておきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。